商人の相続(江戸時代)
徳川家康が三代将軍を選ぶに際し
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お家騒動を避けるため
「能力に関係なく長男が家を相続する」
と言ったルールを持ち込んだ。
その後、このルールは武士身分に定着し
大名家を継ぐ長男とそれ以外の子供の間には
明らかな差別が生まれた。
(大石慎三郎『江戸時代』:参考)
一方、商家(商人)の相続については
武士における長男以外への差別は見られない。
商家では息子を後継ぎにすることはあまりなく
娘に跡を継がせるのが一般的だった。
商売の場合は
経営者の才覚が家業の浮沈に関わるもので
あったため長男イコール後継ぎという
図式にはならず、家の番頭や手代の中から
有能な者を選び、娘と目合わせ
経営の委譲を諮った。
こうしたことは当時の金融機関にも見られる。
商家に対して市中の金貸しは
「婿取りの家なら融資するが、息子が当主だったら
融資しない」といった考え方が普通だった。
万一、婿養子に迎えた番頭や手代の
働きが悪かった場合には離縁させ
家の財産権は娘に残し
婿養子に渡さないのが通例でもあったのである。
総じて
武士や農民が男子相続であるのに対し
商人の場合は基本的に女子相続であった。
(斎藤洋一『身分差別社会の真実』:参考)
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