
それは調査官の怒りの言葉から始まった。
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先週の金曜日、とある夫婦と東京入管まで
出向いた折のことである。
夫婦が取り調べを受けている間、私は
待合室で待機することにした。
金曜日は週末ということで
多くの外国人で混雑しており、調査官は
その対応に忙しく追われていた。
そんな中、ある1組の夫婦が窓口を訪れ
「在留特別許可」の手続きをしようとしていた。
夫婦の一方は白髪の日本人。
もう一方は日本人と同じ容貌を持つ○○人であった。
窓口では必ずパスポートと外国人登録証の
提示を求められる。
最初は穏やかに応対していた調査官であったが
パスポートを見るなり声を荒げた。
「今度で2度目の在留特別許可の申し出とは・・・・
法律をなめているとしか思えない。
通常でも難しい申し出であるのに・・・・
甘く見てはいけない」と厳しい言葉と
視線を注いでいた。
1回でも困難な在留特別許可を
2度、願い出るケースを私自身もあまり知らない。
在留特別許可の手続とは、
不法滞在外国人が配偶者と共に地方入管局の
警備部門に第1回目 の出頭するところから始まる。
東京入管では、港南本局の6階調査第三部門で、
面談調査。
問題がある場合は、その場で収容及び留置の上
強制退去処分となる。
そうでない場合は一旦、自宅には戻れるが
追って数ヵ月後に警備部門から電話または書面で
2回目の出頭要請があり、違反調査が行われる。
その後
在留特別許可がおりるとパスポートに
許可証印が押される。
日本人の配偶者等の在留資格で1年の滞在が
認められ、滞在期間の更新が可能となる。
近年、偽装結婚が横行し
それが組織犯罪の温床にもなっている事例が多く
入管当局では常に目を光らしているのが実態である。