
今回から4回にわたって「遺言書」の
必要性をお話ししましょう。
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知ってためになる「相続知識」-9-
《相続を争族にさせないための予防法務》
相続154,160件 うち10%が骨肉の争いになる。
【相続問題の現状】
平成19年度に日本の全家庭裁判所へ
持ち込まれた家庭や家族に関する相談のうち
相続に関する相談件数です。
相続問題は離婚問題と並んで
最も多い相談件数ですね。
しかし、これは飽くまでも統計上の数字ですから
相続問題で悩んでいる人はこれの何倍もいると
言ってよいでしょう。
そして、そのうちの約10%が家庭裁判所で
調停や審判という争いに移行しています。
では、こうした相続問題を争いにまで
発展させない手立てはないのでしょうか。
【遺言書①】
一般に、自分が完全に中心人物になり得る機会が、
生涯に二度は必ずあると言われていますね。
一つは結婚披露宴。そしてもう一つが葬式です。
さらに自分の意思を完全に実現できる場合にはと
言えば、それは「遺言」に他なりません。
よく「人はなぜ遺言書を書くのか」と問われますが、
私流に申せば「人はなぜ遺言書を書かないのか」と
聞きたくなります。
実際、
遺言がないために、仲の良かった親子や兄弟に
遺産の相続争いが起こり、裁判まで持って行く
ケースが後を絶たないからです。
それは
皆さんの知り合いにもいて、そうした争いで
苦しんでいる姿を常日頃、見て来ている
筈だと思います。
民法では「遺産の分割は、遺産の属する物又は権利の種類及び性質、
各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況
その他一切の事情を考慮してこれをする」
<民法九〇六条>と書かれていますが、
すっきりと
お分かりますでしょうか。
遺言がないと、誰がどの遺産をどう分けるべきか
複雑な要素を絡めて、総合的に考えて
決めなければならない訳です。
遺言がない場合、法律的には法定相続分の割合が主になりますが、
不動産、預貯金、現金、家財道具、
株式、有価証券、債権、賃借権等あれば、既に
法定相続レベルではスムーズに分けられない姿が
見えてくる筈です。
一方、遺言を書くほどの財産がないと
言われる方もいます。御明答かも知れませんが、
実際ないと言っていても、預貯金や生命保険など
入れるとそれなりにあるものなので、遺言は決して
無用なものではありません。
また、多少の財産はあるが法律で決まった
通り分けてもらえれば、良いなどの発想も前に
述べた通り、相続人間に禍根を残します。
遺言書は
矢張り、元気なうちに
書いておくべきでしょう。
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